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​​ARCHIVES 綿から糸へ、糸から布へ
FBなどで発信していた染料や草木染めの色、オーガニックコットンのことなど、各植物の写真と説明でアーカイブしています。
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綿打ちと篠
 
収穫した綿の実から種を取ったあとの綿。
きれいに綿打ちした後は、棒や丸箸を芯にして細長い棒状に巻いていきます。
 
私は、編み針の15号を芯にして巻きました。この状態のものを篠または、ジンキと呼びます。
 
糸紡ぎをするためには、これをはてしなくたくさん作ります100本や200本はなんのそのです。
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手紡ぎ糸の綛(かせ)上げ

 

こつこつ紡いだ糸たちは、綛という単位で分割されひとくくりにされます。

 

ひとかせ、ふたかせと言うふうに数えます。糸という漢字をよく見ると、、、なんとこの綛の姿に見えます。糸と言う字が並んでいますね。

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糸の精錬(洗い)

 

種取りと綿打ち、糸紡ぎをへてようやく今日精練という、糸にのりをつける前の洗いをしています。
紡いだ糸は単糸という、機織りで使うための一番シンプルな糸です。それを、ひとかせ720メートル単位で7かせつくりました。そのかせには、かせが洗ったり染めたりするときにからまないようにとひびろという糸を八の字に何か所かくくっています。ふだん羊毛の糸を染めるときは、3か所ぐらいひびろをとりますが、今回は糸が平均12番手と細いので慎重にしたいと思い、5か所くくりました。
そしてその7かせをすべて輪にくぐらせて、一本状態にしてお鍋で煮洗いをしていきます。

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千切り(バックビーム)に巻き取られたたて糸

 

機草(はたくさ)を間にはさみこみながら、たて糸は機織り機の後方にある千切りとよばれるドラムに巻き取っていきます。

 

機草とは 、織り機の前後で糸をまきとるときにはさみこむ機草(はたくさ)という名前の専用の厚紙なのですが、かなり丈夫で何年も繰り返し使え、何回か使ううちに丸く型がついて(ココが本当に便利!)巻き込みやすくなります。

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綾返し

 

畑から始まる衣服の制作。

種から育てた綿を紡いで糸にした後、ようやく機に糸をかけ始めました。

 

たて糸を優しく丁寧にさばきながら、竹の棒に取った綾をたよりにこれから綜絖という細い穴に一本づつ通していきます。

約800本、間違えないように集中して。。。 染めていない、畑の綿花の色そのままの生成り。この生成り色がさわる前から柔らかいよ~って言ってるみたいで大好きです。

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手縫い用の糸

 

種から育てた綿を紡いで糸にした後、布を織り、型紙を書いて裁断。

 

今回、縫い糸も同じ自家栽培の綿から手紡ぎしました。畑の土から生まれたものだけで衣服を作ってみたかった。実験的な要素がある作品です。思ったより強度もあって、縫っている間に撚りがくるくる戻る事もありませんでした。双糸にする前の追撚の段階でかなり慎重に作業したのが関係ありそうです。

これなら、ステッチ用として十分。茶綿、みどり綿も作りたいです。手縫い用には、もう少し細くするつもりです。

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手縫いの服

 

畑から始まる衣服の制作。完成しました。

種から育てた綿を紡いで糸にした後、布を織り、ちくちく手縫い。ついでに、ハギレでコサージュも作りました。全部同じ畑で育った綿です。

 

手紡ぎした手縫い用の糸は、とっても縫うのが気持ち良かった。だいぶ前に野草料理の方さんに教えてもらって、それからずっと練習していた手縫い、祖母も着るものや身の回りの椅子のカバーとか立体的なものまで全部手縫いだった事を思い出しました。自分で育てた綿から織った布には手縫いがふさわしいなと縫いながらじわっと思ったのです。

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筬と筬通しの道具

筬に筬通しという真鍮の道具を使って糸を差し込んでいきます。片側のクの字にへこんだところで差し込み、反対側の丸く曲がった形のところは引き込んで糸を筬に通すようになっています。もう28年も使っている相棒です。

編み物用などの市販の糸は双糸という2本の糸がより合わさったものがほとんどですが、手紡ぎ糸を織り物で使う場合は単糸という1本だけで撚りをかけたものが主になります。

たて糸をピンと張るためには、その単糸にある程度の強度がいります。その強度をつけるために、綿の糸には糊付けをします。画像は、糊付けをして乾かした糸を機にセットする前準備の作業をしています。

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機ごしらえ

手紡ぎの木綿糸を機織り機にセットする作業をしています。

この作業のことを総じて「機ごしらえ」と言います。

機ごしらえは、整経→仮筬通し→経糸巻き→綾返し→綜絖通し→筬通し→前つけと順に進んでいきます。

今回は、その中の経糸巻きが終わったところです。

自分でこつこつと紡いだ糸が、5mの長さで一本も切れずに巻き取る事ができました。畑で種を蒔いてからここまでの道のり、、、一本も切れずに巻き終わった時にようやく糸紡ぎの時間がむくわれたようなじーんとした気持ちになります。

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切れた経糸と待ち針

 

自家栽培の綿を収穫するところから始まった布づくりは、ようやく終わりが見えてきました。トントンと筬を打つ機織り作業ははもう今日が最後になりますが、この後も切れた経糸の補修とのり落としの作業があります。

今回のこの布は、幅が約13cm、長さ約5mという大きさで、最終的には裁断して、角袋というお米がちょうど一合入る大きさの袋に仕立てる予定です。

マフラーやランチョンマットなど、布をそのままいかした作品にする場合は、耳といって両端の経糸の感覚を1センチほど密にして織りますが、今回は仕立てる予定なので両端は縫い代に入り込むとして、耳をつけて織っていません。幅がせまくて幅だしの伸子を付けられない事と、開口時のすべりのせいか、耳を付けない方が打ち込みの時にまっすぐに緯糸が通り、布目が曲がらないようだったので、今回そうしてみました。開口時のすべりについては、のりの付け具合で毎回微妙に違ってくるので経験を積むしかないですね。。。

Kyoto Weavers Garden

京都ウィーバーズガーデン

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